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2012.6.17
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神緒のべるず 第3話 御神楽IT革命 -1-



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そろそろ冬の寒さも終わって欲しいなぁという今日この頃。今日も窓から外を眺めている。
妹の里桜は、今日も玄関を掃除中。平和な一日である。

ぷるるるるる… ぷるるるるる…

電話が鳴った。
平和が脅かされるような気がしたが、電話に出ないわけにはいかない。
今日も光大朗さんから留守を預かっているのだから。

ガチャ。
「はい…」
「あ〜。はろはろ〜。よろずな探偵事務所さんよね」
「そ、その声は…睦ね」
「当ったり〜。」

陽気な声が受話器から聞こえてくる。ちょっとした親戚で、神社で巫女をやっていて、そして稀にマシンガンをぶっ放すことのある女子大生の睦だ。

「で、当たりついでなんだけど、よろずってことでお願い事がありまして」
「ふぅ〜。なんでしょう?」

声の感じからして、気軽に面倒そうなことを押しつけられそうな気がしたが、睦にはちょっとした借りもあるし…聞いておこう。

「ちょっと困ったことになっちゃってね…。とにかく、うちに来てみてよ」

というわけで、睦の家…近所の神社の母屋まで行くことになった。



「待ってたよ〜。ほらほら、こっちこっち」
という声に促されて、母屋に入る。
きれいに整理された玄関だ。高校生の妹がきれい好きだそうなので、よく掃除しているのだろう。

そこからすぐの、畳ばりの応接間に入る。
部屋の中央にコタツが置かれていて、そこにノートパソコンがちょこんと置かれている。

「これなんだけど…」

睦はコタツの上に置かれたノートパソコンを指さして言う。


「やっぱり神社もホームページとか作ってね。参拝客を積極的に呼ぶべきだ、ってことになったのよ。
 そこで、私がこの神社の『IT担当』ってことになって、ノートパソコンを1台買ったワケなんだけど…
 どうしたらいいかわからなくて」

「そういうことだったのね」

「まずこの、リカバリディスクを作成して下さいって何よ?
 書き込み可能なDVD装置は別途ご購入くださいとか、システムの復元がなんとかとか、
 何が書いてあるんだかサッパリ…」

「あ〜、それはね…」

どうやら睦は、最近流行の小さめのノートパソコンを購入してしまったようだが、パソコンの使い方も用語の意味も全然理解できないらしい。まぁ、しょうがないか。
とりあえず一から説明する。

「うぁ、すごい! 動いた!
 しかもテレビまで見られるんだ」

「えぇ、それはワンセグって言ってね」

パソコンのみならず、最近のテレビの事情も説明する必要があるか…。
そのあたりも一通り説明する。

「ふーん、そうなんだ。それにしても、明日香ってパソコンに詳しいのね」
「あぁ、前に島にいた時のご主人様がね。パソコンとか得意な人で。家にはパソコンがずいぶんたくさん置いてあったのよ。ご主人様は昔、学生時代にパソコン教室の講師をやっていた頃もあったらしくて、色々得意げに教えてくれてね。そのうち、私がパソコンのメンテナンスを任されるようになったこともあってね、だいぶ詳しくなったの」
「へぇ。それでさ、インターネットってどうやるの?」

とりあえず、プロバイダとの契約やらなんやら、しばらく付き合うことになりそうだ…。

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※このサイトは、着ぐるみ小説サイト「神緒のべるず」および、葦葉製作所頒布の小説「神緒のべるず 第1巻」、「神緒のべるず 第2巻(PDF版)」、Yuzu R.さんの再録本掲載の小説をWeb用に再編集したものとなります。一部は書き下ろしです。


関連サイト: 巫女ブラスター2 巫女ブラスター

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