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2012.6.17
Ayacy's HP


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神緒のべるず 第3話 御神楽IT革命 -2-



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一通りの作業が終了し、睦がつぶやく。

「こういうのって、たぶん巴の方が得意なのよね」

巴(ともえ)というのは、睦の妹である。
高校生なのだが、かなりしっかり者なのだそうだ。

「携帯電話の使い方とかもね。私、全然わからないんで、巴に色々任せちゃっているのよね」

巴は、さすが、女子高生ということもあり、携帯電話を使いこなしてブログとかプロフとかも作っている。ホームページ作りは、たぶん、睦にやらせるよりも巴にやらせたほうが早いかもしれないな。
ブログとかプロフとかいう言葉を出すと、また睦が混乱しそうなので、口に出すのはやめておこう。
ホームページ作りのための本も買わせたので、しばらくは一人で勉強させてみることにした。



一週間ほど経ったある日。
睦から電話がかかってきた。

「もしもし? あのさ、なんかパソコンの調子が悪くなっちゃったみたいなんだけど…また見てもらえるかな?」
「今度はどうしちゃったの?」
「なんか、パソコンの画面に馬と鹿みたいな絵が出てきて、変な字が飛び交うのよ。一体なんなのかしら…?」
「それってもしかして…」

事務所のパソコンを広げ、ちょっと調べてみる。
やっぱりそうだ。コンピュータウイルス『ディアーホース.A』に感染した症状だ。

「それは多分、コンピュータウイルスね。ウイルス対策ソフトは入れた?」
「ウイルス?何それパソコンも風邪をひくっての?」
「あー。まぁこれからそっちに行くから、ちょっと待ってて」

とりあえずウイルスについての情報を手帳にメモして、睦の家に行くことにした。



応接間に行くと、たしかにコンピュータウイルスに感染したパソコンが置いてある。

「あ〜、やっぱりそうね。ウイルスに感染しちゃってる。ウイルス対策ソフトも入れていないみたいだし…。買ってこないとダメね」

なんだか面倒くさいことになったが、こればっかりは仕方がない。

「よくわかんないんだけど、パソコンの中に悪いヤツがいるから、それを追い出せば良いのよね」
「まあ、そうなんだけど、コンピュータウイルスに対抗するには、コンピュータのプログラムでできたワクチンみたいなのが必要なのよ」
「なんだか、面倒くさいわね」

ウイルス対策ソフトの指南まですることになるとはなぁ。

「そういうわけだから、ちょっと買い物に行ってくるから」
「あ、ちょっと待って」

睦に呼び止められる。どういうこと?と思っていると、

「わざわざ買いに行くのも面倒だし、状況はわかったわ。私が追い出す」

そういうと、緑色の札を1枚取り出す。

「睦、あなた、何をやろうとしているのかわからないけど…、そういうのは専門のソフトに…」
「まあ、イイからイイから。こういうことにも使えるんだから、見てなさいって」

すると睦は、緑色の札を人差し指と中指の間に挟み、なにやらブツブツと呪文を唱える。

突然、あたりが白い光に包まれた。

「な、何よ!これ!」

私は思わず叫ぶ。睦からは落ち着いた声が返ってくる。

「ちょっと目をつぶっててね。私がハイっていうまで、目を開けちゃダメよ!」

あわてて目をつぶる。耳鳴りが激しくなってくる。キィィィーーーーって音がだんだん激しくなって…。


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※このサイトは、着ぐるみ小説サイト「神緒のべるず」および、葦葉製作所頒布の小説「神緒のべるず 第1巻」、「神緒のべるず 第2巻(PDF版)」、Yuzu R.さんの再録本掲載の小説をWeb用に再編集したものとなります。一部は書き下ろしです。


関連サイト: 巫女ブラスター2 巫女ブラスター

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