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2012.6.17
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神緒のべるず 第9話 遊園地大戦 -1-



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「さすが光大朗! 5人も遊園地に連れてきちゃうなんて、太っ腹!」
睦が光大朗さんの背中をバンバン叩きながら喜んでいる。

今日は雲も一つない晴天。私と里桜、それから、睦と巴と楓の5人は、「光大朗さんのおごり」ということで、遊園地に来ている。もちろん光大朗さんは保護者として同伴している。

きっかけは、ガム工場見学ツアーのときの、睦からの追加請求である。

まず、睦一人で行くのも変なので私も一緒に行くことになっていた。
しかし、睦が遊園地へ行くことを知った楓ちゃんから「お姉ちゃんばっかりズルイ!ズルイ!」と攻撃が始まった。まあ、想像しやすい展開ではある。そして、楓ちゃんも遊園地へ行くことが決まった。
ところが、睦と楓ちゃんが遊園地へ行くことを知った巴も「また2人だけで楽しいことばっかり!」と攻撃。だいぶ前の「楓ちゃん脱走騒動」の再燃とばかりに燃え上がり、自分も連れて行くことを要求。巴ちゃんも連れて行くことになった。

そうなると、里桜も「あたしだけにお留守番させる気っ!?」となるわけで、都合により光大朗さんは5人を遊園地へ連れて行くことになってしまったわけだ。

「くそぅ、まさか、こんなことになるなんて、思わなかったぞ…」
チケット売り場で6人分のチケットを買い終わり、戻ってきた光大朗さんが、財布を見ながらつぶやく。

そんな光大朗さんを睦は、
「この大事な約束を忘れなかったんだから、ホメてあげるわ」
と、ホメているんだか、なぐさめているんだか、なんだかわからない感じでケラケラ笑っている。

「本当は忘れたかったさ。でもお前が、4日おきに『まだか?まだか?』と電話をかけてきやがって、最近じゃ1日おきに電話をかけてきやがって…(涙」
光大朗さんの恨み節が聞こえてくる。

「あらあら。何よその『無理矢理やらされてます〜』的な態度は。そんなこと言ってると、あの秘密バラすわよ。ご通行中のみな〜ん! ここにいる光大朗は、る…」
睦!? 秘密って何? 秘密って!? 「る…」って!?

「あ〜ハイハイ、俺が皆さんを自分の意志でお連れしました−! お連れできて大変光栄です! これでいいか!?」
光大朗さんは何かに屈したようで、無理矢理宣言させられている。

「うんうん、わかってるじゃない! まあ、こんな美女5人に囲まれて遊園地に来られたんだから、少しは喜びなさいって!」
再び、睦のケラケラ笑う声が聞こえてくる。

そんな様子を後ろから見ていた里桜が、
「ホラホラ、見て、見て。光大朗さんと睦さんが、なんだかイイ感じだよ!」
と、私に聞いてきた。
「う〜ん、そうかしら? 私にはそんな風には見えないけど…。巴はどう見るかしら?」
すると巴も、
「あたしもそうは見えないね。というか姉さんって、ちょっと前に『もう絶対、恋なんてしない〜っ!!』って宣言してたからね。当分は色恋沙汰はあり得ないんじゃないかな」
と分析する。
「う〜ん、そっかぁ〜」
と、里桜は残念そうだ。

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※このサイトは、着ぐるみ小説サイト「神緒のべるず」および、葦葉製作所頒布の小説「神緒のべるず 第1巻」、「神緒のべるず 第2巻(PDF版)」、Yuzu R.さんの再録本掲載の小説をWeb用に再編集したものとなります。一部は書き下ろしです。


関連サイト: 巫女ブラスター2 巫女ブラスター

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