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2012.6.17
Ayacy's HP


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神緒のべるず 第14話 そうだ!学校へ行こう -5-



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あたしとさゆりさんの2人だけ。
他には誰もいない。反対するかもしれない他の役員はいないわけだ。きっと賛成してくれるであろう乃々華さんには居てほしかったが、あいにく今は居ないので仕方がない。

作戦はこうだ。
まず、さゆりさんが理事長室の扉を叩く。中から取り次ぎの人が出てこなかったら作戦は延期。理事長は不在と考えられるからだ。
逆に取り次ぎの人が出てきたら、理事長は居ると思われるから作戦決行。

さゆりさんが取り次ぎの人の気を引いているスキに、あたしが睦さんから借りてきた(正確には未返却となっている)緑色のお札で壁に穴を開けて中に進入しようというわけだ。かなり裏技な気がするけど、友人のため、さゆりさんのため、これくらいなら、一肌脱いであげたい。

さっそく、理事長室の前でさゆりさんがコンコン、と扉を叩く。
中から黒服の人……取り次ぎの人だろう……が出てきて「何のご用で?」と聞いている。
さゆりさんが「今度の学院祭のことでご相談が…」と適当なことを言って気を逸らしている。

その隙にあたしは、素早く扉の近く……黒服の人からはドアが死角になって見えない位置……に来て、緑色のお札を壁にかざして中に入り込んだ。




部屋の中にはいくつか仕切りがあって、あたしが今いる位置からは理事長の机や姿は見えない。
とりあえずあたしは作戦に乗っ取って黒服の男に背後から近づくと、後頭部を思いっきり殴ってやる。
黒服の男は気絶し、その場に倒れ込んだ。

「OK。中に入れるわよ」

さゆりさんに小声で伝える。あたしは黒服の男を後ろから抱えると、そのまま理事長室の中に引きずり込んで横たえておく。
さゆりさんが部屋の中に入り、ドアをゆっくりと静かに閉めると、奥から声が聞こえて来た。

「何かあったのですか?」

おそらく理事長の声だろう。取り次ぎの人が倒れたときに、少し大きな音がしたので、何かあったのかと感づかれたのかもしれない。

「……………」
「……………」

あたしとさゆりさんが何も言えずにいると、奥からはちょっと焦ったような声で

「どうしたんですか? 返事をしてください!」

という声が聞こえてくる。
いよいよご対面か……。そういえば、あたしの編入の時も、役員の認証式の時も姿を現さなかったし、あたしにとっても初対面と言うことになるだろうか。もしかしたら退学になったりとか…? そうなると、乃々華さんにも迷惑をかけちゃうかもしれない。

ちょっと後悔はあるけれど、さゆりさんの心を満足させるのが目的だし任務なのだから仕方がない。
これも仕事だと心を決め、あたしとさゆりさんは理事長がいるであろう区画に進んでいく。

「何かあったんですか…!?」

いよいよ、理事長とご対面だ。
さゆりさんは覚悟を決めると、「失礼しますっ!」と大声で言ってから、理事長の居る区画へ入った。

そこに居たのは……なんと乃々華さんだった。


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※このサイトは、着ぐるみ小説サイト「神緒のべるず」および、葦葉製作所頒布の小説「神緒のべるず 第1巻」、「神緒のべるず 第2巻(PDF版)」、Yuzu R.さんの再録本掲載の小説をWeb用に再編集したものとなります。一部は書き下ろしです。


関連サイト: 巫女ブラスター2 巫女ブラスター

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