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2012.6.18
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神緒のべるず 番外編その3 疑似スクリーンセーバー3D -2-



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 あーっ! 言っちゃったヨー!
 そんなことを言っておいて、苦労するのは、この私なんだからっ!
 私のバカバカっ!

 私は自室に戻り、学習机の前の椅子に座り、頭を抱える。
 あの後、姉は案の定、

 「そうっ! それじゃあ、楓。来週までにお願いねっ!」

 などと高らかに宣言し、私に全てを任せてしまった。
 来週までに、何かアクションを起こさねばならない。どうしよう……。

 とりあえず、3D……立体視っていうのか…を実現する方法をネットで調べてみることにする。どれどれ…。
 どうやら立体視というのは、人間の右目と左目に、違う映像を送り込むことにより実現しているのだそうだ。そもそも人間は、現実に存在する物体を見るとき、右目と左目では微妙に違う映像を見ていて、それにより距離感を掴んでいるから、それを疑似体験する映像を右目と左目に送り込んでやればよいということ。

 そのためには、主に4つの方法があるのだそうだ。
 一般的な映画館で使われているのは、時分割方式。非常に素早い間隔で、右目用の映像と左目用の映像を切り替えながら表示するのだ。このとき、専用のメガネを必要とし、専用メガネは赤外線通信等の方法で、現在、右目用の映像と左目用の映像のどちらを映写しているかを把握し、写していない方の映像の目の方にフィルタをかける。これにより、右目と左目に交互に映像を送り込むことができるというわけ。

 次によく使われる方法は、偏光方式。
 光には「偏光」という、物理的な性質があるのだが、一般的にはそれを人間が知覚することはできない。「偏光」に関する詳しい説明は他の文献に譲るとして割愛するが、右目用・左目用の画像にその「偏光」の違いという属性を付加できるのだという。
 ここでも専用のメガネを必要とするが、こちらは偏光の性質を利用し、右目の方では左目用画像をフィルタし、左目の方では右目用画像をフィルタする。これにより、右目と左目に別々の映像を送り込むことができるというわけ。

 3番目は裸眼タイプと呼ばれるもの。
 テレビの画面は、画面上の細かな点で構成されているわけだが、この点について、全ての方向に同じ色を見せるのではなく、方向により異なる色を見せるようにする。
 人間がテレビの前に一定の範囲内の距離に座るようにすれば、左目である点を見たときと、右目である点を見たときで、異なる色を見せることができる。
 これを画面上の全ての点で行うようにすれば、右目と左目に別々の映像を送り込むことができるというわけ。
 なお、この方式は専用のメガネは必要でないものの、人間がテレビに対して特定の位置にいなければならないこと、また、映像の出力装置にかなりの処理能力を必要とすること、という欠点もあるという。

 最後は、色により分ける方式。
 赤青のフィルタでおなじみのメガネをかけることにより、色の周波数をフィルタリングして、右目と左目に別々の映像を送り込むことができる。
 そもそも人間の目は、光の周波数を全て受け取っているのではなく、赤・青・緑の各要素となる波長の周波数がどれくらいの割合で含まれているかを認識し、擬似的に色を認識しているに過ぎない。だから、これらの色の半透明メガネをかけてしまえば、色を各要素に分割した単位でフィルタリングをすることができるというわけ。
 メガネは100円ショップレベルの工作で作ることができるのでお手軽であるし、一般的なディスプレイでも表示できる映像で事足りる。
 ただし、色がおかしく見えてしまうのはご愛敬。

 …さて、ググるの終了。
 ウェブサイトを立体にする…なんていっても、専用のモニタや専用のメガネを使うなんて許されないだろうし……どうしたもんかしら……。

 と、そのとき、背後から「ニャー」という、怪しげな鳴き声が聞こえた。



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※このサイトは、着ぐるみ小説サイト「神緒のべるず」および、葦葉製作所頒布の小説「神緒のべるず 第1巻」、「神緒のべるず 第2巻(PDF版)」、Yuzu R.さんの再録本掲載の小説をWeb用に再編集したものとなります。一部は書き下ろしです。


関連サイト: 巫女ブラスター2 巫女ブラスター

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