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2014.11.2
Ayacy's HP


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神緒のべるず 番外編その3 疑似スクリーンセーバー3D -4-



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 「オイラ、この前レンタルビデオ屋に行ったニャ」
 「知ってるわよ。どうせエッチなビデオでも借りに行ったんでしょ」

 「うっ、そ、そんなことないにゃ。えん罪にゃ。有り得ないことにゃ」
 「『ニャ』が、ひらがなになってるわよ。動揺してる」

 「そ、そんなことないNYA! オイラは定期的に表現を変えているNYA! オイラは世紀の大表現者NYA!」
 「ハイハイ、それで。それで?」

 「それで、美しいオンナの人が飛び出してくる、興味深いビデオがあるというので、借りてみることにしたんニャ」
 「やっぱりエッチなビデオを期待していたんじゃない?」

 「だっ だから、そんなことないニャ! 人権、いや、猫権侵害ニャ! 訴えるニャ!」
 「ハイハイ、先に進めましょ」

 「っていうか、オイラ一人でビデオを借りられるわけないニャ!」
 「そっか、巴姉さんに付いていってもらったのね? それで?」

 「そうニャ。でも、借りようとしたら、『え? こんなものを借りるの?』って怪訝そうな顔をされたニャ。でもオイラ、そのときには気づかなかったんニャ」
 「何を?」

 「………実はそのビデオ、呪われたビデオで、ホラー物の映画だったニャ!
  ………来るニャ!きっと来るニャ………………!」

 あー、あれか。だいぶ前に流行った、ビデオを見た後に、何日以内に他人に見せないと、その人が呪い殺されるとかいう映画ね。たしか、ロード・オブ……なんだっけな。タイトルを思い出せない。ちなみに「来る」とか、「きっと来る」とかいうのは、ちょっとした聞き間違えでそう思って居る人が多い、なんてのをネット豆知識で見たっけな。

 「で、トラウマな話をしてくれてありがとう。それが何のソリューションになるのかしら?」
 「ムッ。オイラはタイガーでもホースでもないニャ。キャッツ!ニャ!」

 なぜ複数形!? でも、ツッコミを入れていると話が進まないので、あえてツッコミを入れずに話を進めてもらう。

 「その経験から、オイラはヒントを得たニャ。あのテレビから出てくる妖怪。まさに3Dと言えるんじゃないか?ってことニャ。妖怪パワーを使えば、あんなこと造作もないことニャ!」

神緒のべるず 番外編その3 疑似スクリーンセーバー3D 挿絵 なるほど…。
 妖怪パワーをどう使うんだかよくわからないけど。

 「今まさに『妖怪パワーをどう使うんだかよくわからないけど。』と言いたげな顔しているニャ? これを使うんだニャ」

 タマは首にかけていたアクセサリーのようなものを、器用に投げて寄越す。
 投げられたアクセサリーのような物は、ひもの付いたUSBメモリーだった。

 「そのUSBメモリーに、オイラの妖怪パワーを仕込んだプログラムが入っているニャ。それをサーバに仕込めば完璧ニャ!」

 「あんた、やるじゃん!」

 私はタマの頭をくしゃくしゃ、と撫でてやると、さっそくPCにUSBメモリを刺し込む。
 中に入っていたCGIのプログラムファイルをドラッグしてサーバにアップロードしてみる。その間、聞いてもいないのに、タマが雄弁に語り始めた。

 「インターネットにはハブやらルータやら、電気信号を増幅させる装置がたくさんあるニャ。電気信号と妖怪はすごく相性が良いから、増幅装置を通って、3D妖怪が増殖して、サイトを見るヤツのPCに入って3D効果を見せるニャ。これは特許出願予定、オイラは発明王! 全人類が、妖怪を使ったソリューションでイノベーションを起こすんだニャ!」

 なんか、タマがうっとりした顔をしている。こんなときばっかり癒し系の顔をしやがって。
 なにはともあれ、これで姉のご機嫌とりができて、一段落だ。




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※このサイトは、着ぐるみ小説サイト「神緒のべるず」および、葦葉製作所頒布の小説「神緒のべるず 第1巻」、「神緒のべるず 第2巻(PDF版)」、Yuzu R.さんの再録本掲載の小説をWeb用に再編集したものとなります。一部は書き下ろしです。


関連サイト: 巫女ブラスター2 巫女ブラスター

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