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2021.1.12
Ayacy's HP
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神緒のべるず 第2話 ガム工場見学ツアー -2-
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この見学コースでは、運搬されてきた材料を加工して最終的に製品になるまでの一連の過程を案内していく。
壁に貼られたパネルに写真付きで文章が書いてあったり、時には実際の製品サンプルが置いてあったりして、わかりやすくガムの製造工程を理解することができた。
私は、どこから敵(?)が飛び出してくるか、わからないので終始緊張していたが、里桜は逆にだいぶリラックスしている感じだ。里桜は基本的に辛いものが嫌いで甘いものが大好きなためだろう。甘いガムにとても興味があるということかもしれない。
「それではこれから、当社のガムの製造の歴史のコーナーへ向かいたいと思います」
これまではガムの製造工程のお話だったが、これからはリネオン社のガム製造の歴史のお話となるようだ。
ここでも壁に張られたパネルによる解説があったり、実際に作られていた製品のサンプルがあったりしている。
さらに、実際に試食できるコーナーもあるため、里桜のはしゃぎ方は、それはそれはすごかった。
「おぉ。すごいよ!姉さん、いろんな味のガムがあるよ。
これなんか、塩キャラメルバター味だって。
塩の隠し味ってすごいよぉ。」
西園寺さんは里桜がはしゃぐ様子が大変お気に召したようで、あれはどうですか?これはどうですか?と次々と新しいガムを勧めて、事細かに感想を求めている。里桜は、甘いものに対しては、かなりこだわりがあるようで、事細かに感想を述べている。
里桜の新しい才能を見出せるかもしれない。西園寺さんも感心しているようだ。
「里桜さんのように、細かく感想を述べてくれるお客様は、当社にとって非常に重要ですわ。ぜひ参考にさせていただきますので、次はこちらのガムを…」
「はいは〜い。こっちのガムね。
これはねぇ。ちょっと甘すぎるかな。あたしにとってはちょうど良いんだけど、一般ウケはしないかもしれない」
西園寺さんのメモを取る速度がものすごい。
と、こんなやり取りが1時間近く続いた。
さすがに里桜はガムも食べ飽きたようである。西園寺さんのお勧めの手も鈍り、再び通常のご案内モードに戻る。
「ところで、何かご質問はございますか?」
私はとりあえず疑問に思っていたことを口にする。
「このガムの製造工程って、材料を運搬するところから拝見させていただいていたんですけど、材料そのものって、どうやって作っているんですか?」
「ああ、それは、良いことに気づきましたね。ちょっとこちらまでどうぞ」
西園寺さんの目が怪しく光った。
まさか、いよいよ、何かが出てくるのだろうか?
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※このサイトは、着ぐるみ小説サイト「神緒のべるず」および、葦葉製作所頒布の小説「神緒のべるず 第1巻」、「神緒のべるず 第2巻(PDF版)」、Yuzu R.さんの再録本掲載の小説をWeb用に再編集したものとなります。一部は書き下ろしです。
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