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2022.7.7
Ayacy's HP
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神緒のべるず 番外編その4 真・疑似ごみ箱 -5-
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「どうやら無事に、退治できたようね……。」
睦姉さんが、額の汗をぬぐう。
巴姉さんは、一安心して息を吐き、壁により掛かる。
私は扇風機から霊力を抜くと、地面に置いて、その場に座り込む。
「なんか、大変だった……」
私はふーっと息を吐きながら、巴姉さんの方を向き「ありがとー」と叫ぶ。
すると、巴姉さんは、少し照れた表情をしながら私に向かって手を上げる。
「前のツボのときは、間に合わなくて太平洋中に妖怪をばらまいちゃったからね−。今回は間に合って、よかったわー」
ん? なんのことだろ。
「ちょ、ちょっと。その話は秘密だって…」
睦姉さんが、ちょっと焦ったような顔をしながら叫ぶ。
私が「へ? へ? 何? 何?」
と聞くと、睦姉さんは「あんたには関係ないんだから!」と言いながら、巴姉さんの方へ走っていく。
それを見て、逃げる巴姉さん。逃げながら叫ぶ巴姉さん。
「睦姉さんってねぇ。今の楓くらいの歳の頃にねぇ。蔵の掃除をしててね−」
「ちょっと待てー!それ以上言ったら承知しないからね〜〜〜っ!」
「キャー!襲われるー!」
あんなに焦った睦姉さんを見るのは久しぶりだ。これは今後、イタズラのためのネタに使えそうだ。
まだお昼御飯食べていないし、これからみんなでお昼御飯でも食べながら、当時何があったのか、追求してみようかなぁ。
-おしまい-
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※このサイトは、着ぐるみ小説サイト「神緒のべるず」および、葦葉製作所頒布の小説「神緒のべるず 第1巻」、「神緒のべるず 第2巻(PDF版)」、Yuzu R.さんの再録本掲載の小説をWeb用に再編集したものとなります。一部は書き下ろしです。
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