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2021.1.12
Ayacy's HP
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神緒のべるず 番外編その1 疑似マルチコア -7-
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母屋の前に着いたときだ。
唐突に、姉はこんなことを聞いてきた。
「それで、さ。なんで、屋上に穴なんか空いたの?」
あまりにも気軽に聞いてきたもんで、私も気軽に経緯を話すことにした。
「ほぅ。マグネシウムに、お札を…ね。で、お札はどうやって使った?」
なんだか姉の表情が曇っているというか、顔の色が赤くなっているような気がしたが、流れというか、話さなければならないような雰囲気に飲まれて、どういう使い方をしたかを話した。
「へぇ、最後に力一杯、お札を投げつけたわけね…」
姉の表情がどんどん曇っていき、どんどん色が赤くなっていく。
「そんなに力を込めたら、、、アンタ程の霊力を持ってたら、、、それまでどんなに慎重に、ゆっくり、少しずつ霊力を込めてたって、なんの意味も無いじゃない…」
へぇ、はぁ、ふぅん、ほぅ。
そーなんだぁ。で、なんで、お姉ちゃん、そんなに怖い顔をしているのかなぁ。
「修行が、、、足りないようねぇ。
そうか。人様にこんなに迷惑を掛けている時点で、十分修行が足りなかったか…」
修行って…そこに反応するんだ!
「えぇい! 楓! 立ちなさいっ! 修行をするわよっ!
きえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!」
「ひっ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
その後、夜遅く巴お姉ちゃんが酔っぱらって帰っくるまで、ずーっと「修行」が続けられたことは、言うまでもない…。
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※このサイトは、着ぐるみ小説サイト「神緒のべるず」および、葦葉製作所頒布の小説「神緒のべるず 第1巻」、「神緒のべるず 第2巻(PDF版)」、Yuzu R.さんの再録本掲載の小説をWeb用に再編集したものとなります。一部は書き下ろしです。
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